尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマとは、性病の一種で、性器にイボのようなぶつぶつができる病気です。
尖圭の読み方は、せんけいと読み、ぶつぶつの先が尖っている特徴があることから、病名に含まれています。梅毒の扁平コンジローマとは別の病気です。
コンジローマ、コンジロームとも呼ばれることがあります。
尖圭コンジローマ
【目次】尖圭コンジローマ
原因 | 感染経路 | 潜伏期間 | 症状 | 検査 |
診断 | 間違えやすい生理的変化 | 治療法 | 治療費用(保険診療) | 予防 |
注意点 | 当院泌尿器科の診療内容 |
原因
ヒトパピローマウイルス(HPV)が、皮膚や粘膜表面に感染してイボのようなものができる病気です。
コンジローマの原因は、低リスク型(6 、11 型)であり、子宮頸がんの原因となる高リスク型HPV(16 、18 、31 型など)とは別の型です。
感染経路
性感染症(STD)のひとつで、おもに性行為によってうつります。
性器同士が擦れることで、粘膜表面の傷からウイルスが感染します。
中には、感染経路がはっきりせず、うつるような覚えがないのに感染してしまうこともあります。
潜伏期間
感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、およそ3週間〜8ヶ月程度になります。
症状
男性の場合には陰茎や包皮の表面に、女性の場合には大小陰唇や膣前庭の表面に、顆粒状や鶏のトサカ、カリフラワーのような突起(通常、数㎜~数cm)が複数もしくは多発します。
それ以外にも肛門内、尿道、舌、口内などにできることもあります。
自覚症状がないことがほとんどですが、人によっては、かゆみや違和感を感じることもあります。
イボの色は灰色のことが多いですが、ピンクや白、黒、茶色などのこともあります。
自然治癒することもありますが、痛みやかゆみがないこともあり、放置してしまうと、徐々に大きくなり、他の箇所に広がります。
検査
医師による視診を行います。通常、特別な検査は必要ありません。
診断
問診、視診、触診にて診断します。実際に診察するとコンジローマでないこともあります。
間違いやすい生理的変化
フォアダイス、 真珠腫様小丘疹、包皮腺など生理的な変化にもかかわらず 、まぎらわしいこともありますので、疑わしい病変があれば、ご相談ください。
画像や写真などでセルフチェックしてみて、似ている病変のため、コンジロームを心配されてクリニックへ受診されるケースもあります。
フォアダイス
陰茎や包皮にできる直径1㎜から2㎜前後のぶつぶつです。脂腺が目立った状態です。唇にもできます。
真珠腫様小丘疹
亀頭の外周や裏側に沿って、大きさの揃った直径1㎜ほどのぶつぶつがあります。
包皮腺
タイソン腺とも呼ばれており、裏すじ付近の左右にできるぶつぶつです。
初期であれば、見分けがつきにくいこともあります。
治療法
液体窒素による、冷凍凝固法をおこないます。1~2週間に1度のペースで継続します。
液体窒素を浸した綿棒を患部に押し当てて数秒凍結させます。それを数回繰り返します。
1回の冷凍凝固法ですぐに完治することは少なく、大きさ、数、治療への反応の度合いにもよりますが、一般的には、早くて数回、治りが悪い場合は10回以上冷凍凝固法を繰り返すこともあります。
症状によっては尖圭コンジローマの増殖を抑え、免疫を高めるため塗り薬(イミキモド)を使用することもあります。
薬は夜寝る前に塗って、朝起きた時に石けんとシャワーで洗い流します。毎日ではなく、1日おきに塗って治療します。
冷凍凝固法をおこなうか塗り薬を使用するか、もしくは両方使用するかは、病状によって医師が判断します。
炭酸ガスレーザー、電気メスによる焼灼、外科的手術により切除したからといって、皮膚や粘膜にもウイルスがいますので、必ずしもすぐに完治するわけではありませんし、再発することもあります。切除した箇所が傷痕になることもあります。
・何科にかかればいいのか?
泌尿器科、性感染症内科、皮膚科におかかりください。
治療費用(保険診療)
冷凍凝固法のみなら、診察代と冷凍凝固法で、合計1500円前後になります。
薬のみなら、診察代で1000円前後になります。2週間分(7袋)の薬代は、3000円前後になります。
イモキモドは、薬価が1袋1177円で高額ですが、薬にも健康保険が適応されます。
予防
コンドームが効果的ですが、ゴムを装着されていない皮膚からの感染を完全に防げるわけではありませんが、感染率を下げることができます。
抗ヒトパピローマウイルスワクチン(抗HPVワクチン)の中の4価ワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPV16型、18型だけでなく、尖圭コンジローマの原因となるHPV6型、11型にも予防の効果があります。
注意点
尖圭コンジローマの塗り薬は、赤みやただれなどの副作用が出ることがあります。これらの症状が出た際には、使用を中止して医師に相談してください。
医師の指導のもとで塗る量や頻度を減らす、治療法を変えるなど調整を行います。
尖圭コンジローマはが病変がなくなってもウイルスが残っている可能性があり、再発しやすい病気です。定期的にご自身で確認して再発が疑われる状態であれば、すぐに受診をしてください。再発した場合でも初期の状態であれば、その分治療期間も短くなる傾向にあります。
当院泌尿器科の診療内容
新宿駅前クリニックの泌尿器科では、男性の「尖圭コンジローマ」の診断、液体窒素による冷凍凝固法および、塗り薬による治療を保険診療しております。女性の尖圭コンジローマは診療しておりません。
男性で「コンジローマかもしれない」と、不安な方もお気軽にご相談ください。