じんましん
蕁麻疹(じんましん)とは、皮膚に赤く盛り上がったかゆみを伴う発疹ができる病気で、1日以内に消える特徴があります。
葉に触れると同じような皮膚症状になるイラクサ(蕁麻)が病名の由来になります。
原因
かゆみを引き起こすヒスタミンという物質が、肥満細胞(マスト細胞)より放出されて、皮膚や粘膜の血管や神経を刺激することで起こる病気です。
じんましんを発症した患者さまのうち、全体の8割前後は明らかな原因が特定できないといわれています。
特定の食べ物を食べたときや薬剤を飲んだときだけに起こる場合などは、原因がわかることもありますが、原因がはっきりしないことも少なくありません。
心当たりのある食品や薬剤がある場合には、食事の時間と食べたものをメモなどに控えて皮膚科を受診すると良いでしょう。
種類
明らかな外部誘因がない特発性の蕁麻疹は、数日以内で収まる急性蕁麻疹と、1ヶ月以上出たり消えたりが続く慢性蕁麻疹に分類されます。慢性蕁麻疹はなかなか治らず、数ヶ月以上続くこともあります。
特定の刺激や負荷で誘発される刺激誘発性の蕁麻疹には、食べ物や薬剤などによるアレルギー性、摩擦・圧迫などの機械性、寒冷・温熱・日光(日焼け)などの物理性、発汗によるコリン性などがあります。
それ以外にも、ストレス、疲労、細菌やウイルスなどの感染症なども原因や誘因になります。
ストレスとの関係性
精神的なストレスにより出やすくなることもあります。職場や居住地などの外部環境が変わったことにより、ストレスが増えて出やすくなったり、逆に、ストレスが減って出にくくなることもあります。
毎日のように夜間の全身のかゆみがあって睡眠不足となってしまい、身体的にも精神的にもストレスが溜まっている場合には、薬で治療することにより、悪循環を断ち切る必要があります。
症状
・蚊に刺され、ミミズ腫れのような皮膚の赤みや盛り上がりが発生し、同時にかゆみを感じます。
・中には赤みのみが毎日のように出るにもかかわらず、かゆみが出ない、もしくはあまり感じないこともあり、かゆみの感じ方にも個人差があります。
・人によっては、チクチクする、ヒリヒリするなどの痛みを生じることもあります。
・数mmの円形や楕円形のものから、融合して直径10cm以上の地図状になることもあります。
・子供から大人まで幅広い年齢層で起こり、腕や腹部などの体の一部分にできるだけのこともあれば、顔を含む全身に広がることもあります。
・皮膚だけでなく、腸などの消化管にもむくみが生じて、吐き気、腹痛、下痢などの症状が起こることもあります。
・ほとんどの場合で数時間以内、遅くとも1日以内には跡を残さず消えるのが特徴です。
・お風呂を入った後や夜など、毎日決まった時間に出たり悪化したりすることもあります。
検査
通常は、検査をすることはありませんが、念のため血液検査をすることもあります。
内臓の病気が疑われる場合には、白血球数、肝(肝臓)機能、腎機能などを調べます。
診断
問診、視診、触診により診断します。
じんましんは、湿疹などの他の発疹と違い、発疹の表面がザラザラするなどの変化することがなく、皮膚の一部分が虫刺されのようにふくらみ、長くても1日以内に消えることから湿疹と区別することができます。
治療法
抗ヒスタミン薬の飲み薬を中心に使用します。じんましんは皮膚に症状がでるため、「塗り薬でも治るのでは?」と感じてしまうかもしれません。
けれども実際に症状が起きているのは、皮膚の表皮(表面)よりも下の真皮部分となります。
この場所まで塗り薬は到達しにくいため、塗り薬も処方することはありますが、飲み薬中心に治療をしていきます。
ドラッグストアなどで市販されている塗り薬で対処していたものの、なかなか治らないため、皮膚科を受診される方も少なくありません。
治療薬
抗ヒスタミン薬には、様々な種類があり、効き目についても個人差があります。
じんましんは、湿疹などの他の発疹と違い、発疹の表面がザラザラするなどの変化することがなく、皮膚の一部分が虫刺されのようにふくらみ、長くても1日以内に消えることから湿疹と区別することができます。
抗ヒスタミン薬の飲み薬は、一部のかぜ薬のように眠気が起こることがあります。自動車の運転や機械の操作などには、注意が必要です。
出る時間帯や生活スタイルに合わせて、「寝る前1回のみの薬」や「眠くなりにくい薬」などに変更することもあります。
炎症が強い場合には、ステロイドの飲み薬を使用することもあります。
注意点
蕁麻疹が出ているときは、お酒を飲む、運動、熱い風呂への入浴は避けてください。
自分でできる対処法、応急処置としては、寒冷蕁麻疹でなければ、氷水を入れたビニール袋などで患部を冷やすことも有効です。
食べ物へのアレルギー反応等で気道にじんましんが発生すると、アナフィラキシーショックを起こし、呼吸が苦しくなることがあります。
そのような場合は、重症度によっては呼吸管理が必要になることもありますので、救急外来の受診や救急車での搬送も検討が必要です。
当院皮膚科の診療内容
新宿駅前クリニックの皮膚科では、「じんましん」の診断および治療をおこなっております。治療は抗ヒスタミン薬の飲み薬を使用します。
じんましんの出る時間帯や頻度は原因・個人差によって異なるため、ライフスタイルに合わせて、眠くなりにくい飲み薬を処方することもあります。
当院では金属アレルギーの検査はおこなっておりませんが、必要に応じ、血液検査(特異的IgE検査)を実施しております。
【皮膚科の診療案内】