水虫
水虫とは、白癬菌というカビの一種が皮膚に感染することにより、引き起こされる病気です。爪に感染すると爪水虫(爪白癬)になります。
原因
白癬菌が皮膚に付着・感染することで起こります。皮膚が直接触れた場合だけでなく、家庭でスリッパやお風呂の足拭きマットを共有することで感染するケースも多くみられます。
それ以外にも、スポーツジム、銭湯、プールなどの人が裸足で歩く場所も感染しやすいです。
症状
足裏や足指にかゆみや皮むけ、ふやけなどの症状があります。炎症が強いと、水ぶくれになることもあります。
かかとの水虫は、角質が厚いためガサガサになり、ひび割れになることもあります。
必ずかゆみが生じるわけでなく、初期にはかゆみがないことも少なくありません。
細菌が増殖しやすい湿潤環境では、臭いを発する細菌と混合感染して臭いを感じることもありますが、白癬菌のみでは臭いはありません。
感染部位ごとに様々な名称で呼ばれており、体にできる体部白癬(たいぶはくせん)・タムシ・ゼニタムシ、手のひらや手指にできる手白癬(てはくせん)、股にできる股部白癬(こぶはくせん)・インキン、頭皮にできる頭部白癬(とうぶはくせん)・シラクモなど、日本国内でも地域によっても呼び方が異なります。
手白癬は、手湿疹と間違われることがあります。
検査
ピンセットで皮膚の一部を採取し、白癬菌がいるか検査をおこないます。
診断
問診、視診、触診のみで、確実に診断することはできません。
検査をして白癬菌が検出されなかった、陰性(-)であっても、少量で検出されない場合は、複数回検査することもあります。
また、水虫によく似た皮膚病もほかに存在するため、クリニックで診断を受けられることをおすすめしています。
治療法
抗真菌薬の塗り薬を使用します。
通常はクリームタイプの塗り薬を使用しますが、患部ががふやけていたり、じゅくじゅくしているようなら、刺激の少ない軟膏タイプの塗り薬を使用します。
かゆみや皮むけなどの症状がなくなっても、水虫が残っていることがあります。最後まで治療をしきらないことで再発するケースが多く、かゆみが消えても医師の指示通りに薬の使用を継続するようにしてください。一般的に4週間以上は、継続して薬を塗り続ける必要があります。
注意点
水虫の菌に感染した箇所を蒸れた状態のままに放置、合わない市販の抗真菌剤を塗ったなどが原因で患部がかぶれてしまうことがあります。その際は通常の治療でつかう抗真菌剤ではなく、ステロイドの塗り薬でかぶれを治します。
かぶれが発生し細菌感染を起こすと、かゆみだけではなく痛みを感じることもあります。細菌感染がある場合は、抗生物質の飲み薬を使用することもあります。
自力で治すために、自宅で酢につけるなど独自の治し方をされることもありますが、逆に悪化することもありますので、ご注意ください。
家族が水虫の場合は、足の裏・かかと・指をよく洗うだけでなく、足拭きマット、靴、サンダル、スリッパの共用は避けていただき、消毒用のアルコールティシュ等で除菌することにより、感染しにくくなります。
なお、大人の男性や女性のように、靴や靴下を履いたままの状態で長時間過ごすことの少ない子供には感染しにくい傾向にあります。
爪水虫
爪水虫は、爪白癬(つめはくせん)とも呼ばれており、足指の爪に白癬菌が感染することにより引き起こされる病気です。水虫とは治療法が異なります。
原因
カビの一種の白癬菌が、足指の爪に感染することによって発症します。足の水虫と同じように、普段の共同で使う生活環境から菌が足に付着したことで発症します。
足水虫を放置しておくと、足指から足の爪に菌が入り込み足爪の水虫に進行します。足爪水虫の治療する場合は、足水虫も一緒に治療する必要があります。
症状
足指の爪が白くにごる混濁、厚くなる変形、黄色っぽくなる変色などの症状があります。爪がボロボロと、もろく崩れやすくなっていることもあります。
検査
爪の一部を削って、白癬菌がいるか検査をおこないます。
診断
爪水虫に感染していない場合でも、靴との圧迫や外傷などによって爪が変色したり、変形したりすることがあります。外観だけで判断を行わず、検査をして診断することが必要になります。
治療法
抗真菌薬の飲み薬もしくはつけ薬を使用します。
直接皮膚に薬を塗ることができる足の水虫より、治療期間が長くなります。
毎日1錠ずつ3ヶ月間飲み続ける薬(ホスラブコナゾール)、毎日1錠ずつ6ヶ月間飲み続ける薬(テルビナフィン)や、パルス療法とよばれる「1日朝晩2回の服用を1週間続けて、次の3週間は休む」を1サイクルとして、それを3サイクル繰り返す治療タイプの薬(イトラコナゾール)などがあります。
飲み薬を希望されない場合やもともと肝機能障害がある場合は、抗真菌剤のつけ薬(エフィナコナゾールもしくはルリコナゾール)を選択して使用することも可能ですので、その旨を医師にお伝えください。
爪は徐々に根元から新しくキレイな爪が生えてきます。
注意点
抗真菌剤の飲み薬はわずかながら肝機能障害を引き起こすケースが報告されているため、定期的な血液検査が必要になります。
- ● 水虫の治療薬について(佐久総合病院)
- http://www.sakuhp.or.jp/pharmacy/mizumusi/mizumusi.htm
当院皮膚科の診療内容
新宿駅前クリニックの皮膚科では、「水虫」と「爪水虫」の検査と治療をおこなっております。
水虫は、抗真菌薬の塗り薬にて治療をおこなっております。
当院では検査は外部の検査会社に依頼しております。検査結果は来院の1~3日後に、インターネット上の検査結果確認ページでご覧いただけます。
ドラッグストアなどでも水虫薬が市販されていますが、市販薬は水虫の原因となる菌に効くものだけでなく様々な成分が配合されていることもあります。
当院では市販がされていない、購入には処方せんが必要な新しいタイプの抗真菌薬の塗り薬も処方しています。
爪水虫は、抗真菌薬の飲み薬、もしくは抗真菌薬のつけ薬にて治療をおこなっております。
つけ薬よりも飲み薬の方が良い治療結果が期待できますが、ご希望を踏まえて薬を選択しております。
【皮膚科の診療案内】